もうすぐ確定申告の時期だなー、でも自営業でもないし関係なーい
いやいや、自分は関係ないと思っている方、ちょっと待った!
病気やケガの治療で、予想以上に医療費がかかってしまったことはないですか?
たまに行く病院の診察ではなかなか医療費の合計が高額になることはないですが、たとえば妊娠・出産、病気やケガでの長期入院、通院治療などなど。
合計すると結構な費用になっている場合があります。
ちなみに我が家は今年は上記の理由にすべて当てはまります。笑
私の妊婦健診に加え、主人の約2か月にわたる入院費用や入院中のさまざまな検査、退院後の検査・通院もろもろです。
年間の医療費がかさんだなーと思ったら、「医療費控除」が受けられるかどうかチェックしてみましょう!
- 妊娠中
- 出産後
- 入院・手術をした
- 通院中
医療費控除とは簡単にいえば、「病気やケガで年間医療費をたくさん払った人の税金を安くしてあげましょう!」という制度です。
ありがたい制度ですが、どういう制度で具体的な内容が分からない、面倒くさそうという方も多いと思います。
医療費控除を調べると、たくさんの解説記事がヒットします。でも知りたい項目がなかったり、難しい言葉でかいてあったり。
ここでは私が個人的に知りたかった部分をまとめて、なるべくかみ砕いて解説しています。
逆に知りたいことがのってなかったらすみません。笑
控除対象の方はもちろん、控除対象になるかもしれないという方もぜひチェックしてみてくださいね。
CONTENTS
医療費控除ってどんな制度?
医療費控除とは、年間で支払った医療費の合計が一定額を超える場合、「所得控除」を受けることが出来るというもの。
医療費のうち一定額を所得から差し引いてもらうことで所得金額が減り、それを基に計算する税金が少なくなる、つまり税金が安くなるということです!
医療費控除の対象となる医療費の要件は?
①1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費であること。
②自己又は自己と生計を一にする家族のために支払った医療費であること。
が基本条件となっています。
医療費控除の対象・対象外の具体的な例は?
病院で支払った分は全部医療費としてみていいの?
ノンノン!ここはしっかり確認しておきたいところだから、よく確認してね!
病院の窓口で支払った分すべてが医療費控除の対象となるわけではありません。
大まかに分けると治療目的は対象、直接的な治療目的でないもの(予防)は対象外となります。
対象の医療費の例 | 対象外の医療費の例 |
・医師に支払った診療費・治療費 ・治療・療養に必要な医薬品の購入費 ・入院した時の部屋代や食事代 ・診察を受けるための交通費 ・妊娠してからの健診費用・検査費用 ・分娩費用 | ・医師や看護師への謝礼 ・病気予防や健康増進、美容目的 のビタミン剤やサプリメント購入費 ・マイカー通院にかかるガソリン代 ・駐車場料金 |
- 健康診断を受けて異常所見が見つかった場合→治療となる為、健康診断費用は対象
- 異常所見が見つからなかった場合→予防となる為、健康診断費用は対象外
出産に伴う費用の場合
●対象
・出産で入院する際、バスや電車などの公共交通機関の利用が困難なためタクシーを利用した場合のタクシー代
・入院中の食事
●対象外
・実家で出産するための帰省にかかる費用
・病室への出前・外食
不妊治療費用も対象?
不妊治療費用も対象です。
人工授精・体外受精費用も対象となり、助成金を受けている場合はその金額を差し引いて算入可能です。
ただし不妊改善目的のサプリメント・健康食品は対象外です。
含められるものは、しっかりもれなく含めましょう!
医療費控除の対象となる金額は?
結構払った気がするけど、いくら以上で控除が受けられるの?
簡単な目安は年間の医療費のうち自己負担した金額が10万円を超えるかどうか。
ただし、10万円以下でも受けられるケースがあるのでしっかり確認しておきましょう!
次の式で計算したものが、医療費控除額となります。
医療費控除額=支払った医療費の合計金額ー補填金額(A)-10万円(B)
医療費控除額=還付される金額ではないので注意!
A:生命保険・保険組合からの給付金
- 加入の生命保険からの入院給付金・手術給付金
- 高額療養費
- 出産育児一時金
- 勤務先保険組合からの手当
B:その年の総所得金額等が200万円以上の人→10万円
総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%
総所得金額等とは?
総所得金額等とは国税庁のHPでは以下のような説明です。
「総所得金額等」とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。
国税庁 確定申告書作成コーナー より引用
はい、無理。わからん。
一般的な給与所得者の場合は
総所得金額等=給与収入ー給与所得控除
となりますが、給与所得控除の計算もややこしいので源泉徴収票の①「給与所得控除後の金額」というところが総所得金額等になるので分かりやすいです。

ここが200万円未満の人は、この金額の5%を④の式Bにあてはめてくださいね!
実際の還付金はいくらもどってくる?
で、結局なんぼ戻ってくるの?
④で医療費控除額の計算ができました!
医療費控除額=還付金額ではないので注意!
実際の還付金がいくらなのか計算してみましょう。
STEP1 課税所得額の計算
源泉徴収票の①「給与所得控除後の金額」と②「所得控除の額の合計」で課税所得額が分かります。

課税所得額= ①「給与所得控除後の金額」-②「所得控除の額の合計」
STEP2 所得税率の確認
求めた課税所得額をもとに次の表で所得税率を確認しましょう。
課税所得額 | 税率 |
---|---|
195万円以下 | 5% |
195万円を超え 330万円以下 | 10% |
330万円を超え 695万円以下 | 20% |
695万円を超え 900万円以下 | 23% |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% |
4,000万円超 | 45% |
ここまで確認してやっと還付金の計算ができます。
STEP3 還付金の計算
還付金=医療費控除額×所得税率
モデルケースで計算してみましょう
- 年間の医療費→40万円
- 給付金→15万円
- 年間収入→700万円
- 課税所得額→390万円
1:医療費控除の計算(式①)
【40万円(医療費)-15万円(給付金)】-10万円=15万円(医療費控除額)
2:所得税率の確認(表)
課税所得額が390万円(式②)の場合の所得税率を表で確認→20%
3:還付金の計算(式③)
15万円(医療費控除額)×20%(所得税率)=3万円(還付金)
できたーー!計算できたよ!
面倒くさそうに見えるけど、やってみると意外と簡単に計算できちゃうよ!面倒くさいけどね←
共働き夫婦でも医療費の合算はできる?
共働き夫婦の場合、それぞれで税金を支払い収入から社会保険料が引かれていると思います。
扶養家族でない場合医療費も別と思いがちですが、控除を受けるために医療費を合算してOKです!
これは医療費要件②の「生計を一にする」というのがポイント!
「生計を一にする」とはすなわち同一生計であるということ、つまり共働き夫婦や離れて暮らす仕送りをしている家族の合算もOKということになります。
同居している必要はないのです。
夫婦合算OKなだけでなく、どちらが医療費控除を受けるか選択も可能です。
一般的には給料が高い方が還付される金額が大きくなります。
医療保険等の給付金が医療費よりも多い場合どうなる?
保険しっかり入ってて給付金たくさんもらえたよ!その分まるまる補填金として引かないとダメ?
大丈夫!うまいことできてるから安心して!
医療保険等手厚く加入していたり、会社の福利厚生で入院手当てがもらえたりと実際にかかった費用より多く給付金をもらえる場合があります。
その場合、給付対象の医療費が限度となり、他の医療費から残りを引くことはないので安心してくださいね。
例:ある病気での入院費用が10万円。その入院に対する給付金が15万円。年間の医療費合計が40万円の場合
40万円(年間医療費)-10万円(給付金)-10万円=20万円(医療費控除額)
補填された金額は入院費用の10万円と考えてOKです!
医療費控除の申請のタイミングは?確定申告期間中?
医療費控除が受けられると分かったけど申告はやっぱり確定申告期間中?混んでて嫌だよー
これも大丈夫!あの人混みにいかなくてもいいんです!
医療費控除のような還付金を受ける還付申告の場合、医療費のかかった翌年1月1日から5年以内に申告すればOKです。
つまり、2019年分の医療費控除申告であれば2020年1月1日~2024年12月31日までが申告受付期間となります。
過去5年以内をさかのぼっての申告も可能です。
まとめ
まずは、年間の医療費で控除対象の医療費が世帯全員分でいくらだったのか計算しましょう!
10万円超えていたら申告の準備!
超えていなかったら、パート収入や時短勤務の家族の総所得金額等が200万円未満か確認!
200万円未満だったらその5%で計算して控除対象になるか確認!
この確認作業のため、領収書の管理などはしっかり行いましょう。
レッツ医療費控除!